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1.“またはち”日記
(アカスジキンカメムシの一生)
第2章 ~旅立ち~ |
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“またはち”日記(アカスジキンカメムシの一生)
ボクには大人になる準備、つまり脱皮を迎える時期が近づいてきました。
季節も秋から冬へとかわりボクの運命も大きく変わろうとしていました。・・・ |
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第2章 ~旅立ち~ アカスジキンカメムシの脱皮と我が家の成長 |
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2004年1月15日(木) |
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いつもと変わらないヨシハラ家の朝、
このところボクはいつもジィーとしていたので、ひとみチャンもシランプリして通り過ぎようとしたその瞬間“エッー? ?” “またはち”今までに聞いたことのないようなその声!!
“またはち脱皮した~~ ” もう大はしゃぎダンナ様に報告、ダンナ様はボクをカメラで撮ってくれた。
ひとみチャンは、次々と起きてくる知哉坊ちゃん、卓未坊ちゃんに自慢した。 |
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しかし、最後に起きてきた直生坊ちゃん何と!インフルエンザ!!、それからひとみちゃんはボクのことを忘れて直生坊ちゃんを医者に連れて行ったり大変そうだった。
ちなみに、1月15日と言えばついこの間まで世間では成人式だっので
・・・ひとみチャンは”「またはち」えらいね~~“ちゃんと成人式に”成人?になるなんて ・・・相変わらず訳のわかるような?わからないようなひとみチャンでした。 |
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1月16日(金) |
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ひとみチャンは少しずつ変わるボクの様子がウレシイらしく“へ~!!すごい!!
ホントみどりに輝いて赤いスジが少し見えてきた”
“へ~~” “へ~~”と世間で一時流行した“へ~~”ボタンを押す真似をしながら
ウレシソウ~~!!
ボクの抜け殻はどうするのか悩んでいたが足先まできれいに残っているその抜け殻は、とりあえずそのまま保存すると言っていた。 |
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だって、もしかしたら“またはち”その抜け殻カルシウム補給で食べるかも知れないヨ!!
ボクは言ってあげたかった。
食べる訳ないヨ!! 相変わらずの発想だなー!! |
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1月27日(火) |
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くもり空の寒い朝ボクの一生は終わった!!
でもひとみチャンの様子はわかる。僕が死んだらひとみチャンはきっとこんな風に・・・なると思うよ
いつもと変わらず四角い部屋を大雑把に丸く掃除する。 ・・・そしてヨッ!! “ またはち”元気か~?
ボクは動かない・・・“何だ“またはち”ねてるのか?” “ネ~!” “ネ~”
いつものようにわりばしの先でボクの触角をいたずらする
・・・ボクの丸くなった手足はもう葉っぱをつかむことさえ出来ないので
“小さな体はスー”と虫かごの床に落ちる。
かつて見たことのない様子にひとみチャン。
また、そーッと割ばしでボクをいたずらする・・・何度も・・・何度も・・・やっとボクの“死”がわかった
“ウソダー~?” “ウソダー~?”そうつぶやき、涙か乾くまで、どのくらい時がすぎたかな?
ダンナ様に“またはち”突然死と短いメールを送る。
・・・・・また、どのくらい時がすぎたかな?夕方になってみんなに報告する。
知哉坊ちゃんは“またはちが大きくなって空を飛ぶところが見たかったなー?” なんて言う。
卓未坊ちゃんと直生坊ちゃんは、さすがに大学生だから“なんで死んじゃったの?”
また、“山へ行って何か探してくれば”なー~んてさり気なく言う。
ダンナ様は淋しそうにボクの最後の姿をカメラに納める。
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・・・ボクはしあわせだった。ボク達の仲間と違った一生だったけど楽しかった!
ボク達の仲間 “虫”と言うだけで殺されたり、いじめられたりするんだ。
まして“カメムシ”なんて言ったら“クサイ”イメージがあるから、人間からは大の嫌われ者なんだ。
だけど、こんな風にやさしくされて大事にされて
・・・それにもうむやみに虫を殺せないって言ってくれたから・・・
こんなに一生懸命生きているんだもん可愛いよネって・・・
それでボクは大満足です! だってヨシハラ家の5人そしてその子供達またその子供達
・・・ずうーっと“生き物”を大切にしてくれるよネ!
小ちゃな虫だって大切にしてくれるよネ・・・ボクはそう思うから・・・
今より一人でもたくさんの人々が優しくなってくれればいい・・・それでいいヨ!!
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最後に
・知哉坊ちゃん・・・頑張り屋さんだね、エライよ!! 頭もいいし!最高!!
・卓未坊ちゃん・・・イケメンだね、テニス も上手だし、ボクの憧れだったヨ?
・直生坊ちゃん・・・足が長くてカッコイイネ!! 彼女と仲良くネ!
・ダンナ様 ・・・ボクカッコよく写ってる?
(残念ながら、ピンボケでよく写らなかったこともあったよネ!!)
仕事つらくてもガンバレヨ!!ファイト!!
あんなひとみちゃんですが、まあ!よろしく、お願いしますヨ!!
ひとみチャン・・・言葉にできないよ。 今の気持ち・・・元気でネ!
ボクのこと忘れないでネ!!約束だよ
さようなら・・・・・ |
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2月2日(月) 久しぶりの雨
(追伸) “またはち”へ |
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“またはち”が死んで一週間、外では雪になりそうな淋しい雨が降り続く
決めました“またはち”を我が家の庭の「やしおつつじ」の木の下に
眠らせてあげよう・・・って!!
3人の子供たちの入学式の写真にはいつも“凛”として、写っていた思い出の“木”だから・・・
寒い冬から春の準備をし、 時より襲う霜にも負けず春の音色が聞こえたら
桃色の花を枝いっぱいに咲かせ“りっぱだね” “キレイだね” と
見る人を感動させてくれる“木”だから・・・ |
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その木の下に“またはち”を眠らせてあげよう。
そうすれば、毎年“思い出す”から・・・ やっと自然に返れるネ!
“またはち” ごめんね “またはち” |
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2月4日(水) 立春 |
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立春だと言うのにうっすら雪景色の白い朝を迎えた。
昼頃になって雪解けのしずくが落ちる。
キラッと光りながら落ちていく
そんななか、“またはち”も大地へ帰る
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~ おわり ~ |
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